【専門家解説】育児休業給付金をもらえない?あきらめる前にする対策
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育児休業給付金の相談に累計300件以上回答してきたベンゾー(@ikukyu_hotline)です。
この記事では「育児休業給付金をもらえないと言われたときの対策」を解説します。
- 育児休業給付金もらえないと言われた
- 自分じゃよくわからない
- あきらめきれない
会社やハローワークから「育児休業給付金をもらえない」と言われた方。
目の前が真っ暗になって、途方に暮れていませんか?
あきらめきれないなら、ぜひこの記事を読んでください。
私に相談をする方の大半は、会社やハローワークから「もらえない」と言われた方。
そして、提案した対策の結果もらえるようになった方が多数います。
その対策って大丈夫?違法じゃない?
違法な対策ではありません。
制度を理解してない会社や状況を理解してないハローワークには、「提案できない対策がある」ってだけ。
この記事では実際に私が提案している対策として、以下の3点を中心に解説します。
- 現状を正しく把握する
- 状況を変えられないか
- 本当にもらえない場合
この記事を読めば、本当の本当に育児休業給付金をもらえないのか確認できます。
記事の後半では、本当にもらえない人向けの話も載せています
運営者のベンゾーに直接相談したい方はコチラからどうぞ。
この記事の情報は・・・
- 厚生労働省管轄の育児・介護休業法
- 雇用保険手続きの手引き-育児休業給付について
- 雇用保険に関する業務取扱要領-育児休業給付関係
- 雇用保険に関する業務取扱要領-一般被保険者の求職者給付
- 法令検索サイトe-gov-育児介護休業法
を要約した内容になっています。
【育児休業給付金をもらえない?①】現状を把握する
まずは現状の把握から。すでに条件クリアしてるケースがあります。
そもそも育児休業給付金をもらう条件って何?
超ざっくり言うと「雇用保険に加入している」「過去2年間で出勤日数11日以上の月が12回」の2つ。
詳しくは「【全然わからない人向け】育児休業給付金をもらえる条件を解説」で解説しています。
「全然わからない!」って方はまずこの記事から見ると良いです。
「出勤」にカウントするのは出勤だけじゃない
上の子が熱だしたり、保育園の行事で結構休んじゃった・・・
純粋な「出勤」以外にも出勤とカウントするものはあります。
例えば以下のようなものは全部「出勤」としてカウントされます。
- 遅刻
- 早退
- 有給休暇(半日とかも)
- 会社都合の休業
半日有給休暇で残りを欠勤したらどうなるの?
「半日有給休暇+半日欠勤」「半日遅刻+半日出勤」こういう場合も「1日出勤」とカウントします。
簡単な話、1円でも給料が発生する日は「1日出勤」とカウントします
出勤日数の数え方は「【超重要】基礎日数をマスターして育児休業給付金を上手にもらう方法」でさらに詳しく解説しています。
純粋な出勤が少ない方は一度ご確認ください。
期間は正しく取れている?
給与明細を見てたら「11日以上出勤」してない月がいくつかあった。。。
「給与明細」に書かれている出勤日数は関係ありません。
なぜなら「計測する期間」が違うからです。
例えば給料が20日締めの会社なら、毎月21日~翌月20日の出勤日数を給与明細に記載しています。
しかし育児休業開始日が1月8日なら、毎月8日~翌月7日の出勤日数を計測します。
「育児休業開始日」っていつのことを言うの?
一般的には「産後休業」が終了した翌日。つまり出産日の8週間後です。
例えば1月1日に出産した場合、2月27日が育児休業開始日になります。
※「一般的には」を強調した理由は後述します。ここで解説すると複雑になりすぎますからね。
大きな差はないけど、ギリギリを攻めた人なら結果が変わるかも
計測期間について「私はOK?「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件を解説」でさらに詳しく解説しています。
給与明細の出勤日数を見てた方は、記事を読んで確認をしてみましょう。
11日未満ってだけであきらめないか
結構働いたんだけど11日以上出勤してなかった・・・
結構残業していたのならあきらめなくて良いかも。
「出勤日数11日以上」を満たせなかった場合の例外で、「出勤時間80時間以上」という条件があります。
例えば残業を含めて1日9時間働いている人が、出勤日数9日だったら条件クリア。
会社の人が把握してないこともあるので、しっかり主張しましょう
「出勤日数11日以上」や「出勤時間80時間以上」の話は「私はOK?「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件を解説」で詳しくしています。
出勤日数のことで不安がある方はご覧ください。
前職の期間を通算できないか
転職してすぐ妊娠しちゃった。。。勤務日数が足りないよ。
前職の期間も通算できる可能性があります。
「過去2年間で出勤日数が~」の条件は、現職だけでなく前職や前々職の期間もカウントしてOK。
例えばA社で5年働いた後、B社に転職してすぐ妊娠。出産するまでに10ヶ月くらいしか勤務してないというケースもOKになる可能性があります。
「OKになる可能性が~」って回りくどい言い方なのはなぜ?
実は通算するには条件が2つあります。
- 転職後に失業保険など、ハローワークで離職票を使った手続きをしていないこと
- 退職~現職入社までの空白期間が1年以内であること
この辺を満たせていない人がいるので、回りくどい言い方をしました。
さらに通算できればOKってわけじゃなく、転職したての育児休業は他にも気を付けたいことがあります。
具体的には以下の5つ。
- 前職退職後の離職票を持っていること
- 前職退職から現職就職までの期間
- 完全月を考慮して月を数える
- 転職先の契約内容
- 転職先の就業規則
詳細は「転職1年未満で育休は取れない?辞める前に確認する5つのポイント」で解説しているので、転職直後の方は確認しましょう。
過去2年以上さかのぼっているか
つわりでたくさん休んじゃって、条件クリアできてないかも・・・
休んだ理由によっては過去2年以上さかのぼることができます。
認められる理由はいくつかありますが、主に「疾病」「出産・育児」ですね。もちろんつわりも疾病に入ります。
例えばつわりで2ヶ月休んでいたら、本来2年さかのぼるところが2年2ヶ月さかのぼれるわけです。
どの辺から認められるの?傷病手当金を受けているとか?
傷病手当金を受けているなら間違いないですが、直接関係しません。
あくまで「ハローワーク側が認めたら」となっており、実務的なことを言うと基本的に認められます。
傷病手当金とは?
プライベートなケガや病気で4日以上働けない場合に、健康保険から出る手当金。
詳しくは「出産手当金」と同じ「協会けんぽ」へ。もしくはベンゾーに聞いても答えます。
協会けんぽへの連絡は「【どこに相談?】会社に聞きにくい妊娠~育児中に使える制度の疑問」をご覧ください。
つわりで休んでた分をさかのぼったら、条件クリアできそう!
よかったです!ただ、「2年以上さかのぼる」という例外は実は結構複雑なんです。
単に「出産前に2ヶ月くらいつわりで休んだ」って話ならシンプルなので問題ありません。
ところが複雑な休み方をした方だと、必ずしもさかのぼれないこともあります。
あまり自身が無いなら、ハローワークやベンゾーにご相談ください。
➡️ ハローワークに相談
➡️ ベンゾーに相談
【育児休業給付金をもらえない?②】状況を変える
現状では「もらえないことが確定」している向けの内容です
もらえないって言われてるのに、もらえるようになるの?
全員ではありませんが、もらえる方もいます。
実際、冒頭で紹介したこの方は会社からもハローワークからも「もらえない」と言われていた方。
「もらえない」と言われても、あきらめなければ育児休業給付金をもらえるかもしれませんね。
ここでは実際に私に相談が来たとき、どんな点に注目しているかを解説します。
「休業に入る前」までに対策しようとしてないか
出産直前まで働いたとしても、日数が足りないよ・・・
産休に入ったら次は育児休業。だから出産するまでになんとかしなきゃ!って発想になるのは当然。
しかし、実際は出産後でもどうにかできます。
例えば有給休暇がたくさんある方なら、産後休業の後に育児休業に入らず、一旦有給休暇を使うのもアリです。
1月1日に出産した場合、産後休業は2月26日まで。通常なら2月27日から育児休業に入ります。
ここで2月27日から有給休暇を1ヶ月分使ったら、1ヶ月分確保できます。
育児休業の開始をずらすことってできるの?
できます。ただし注意が必要です。
まずこのやり方をすると、育児休業給付金は減ります。
なぜなら給付される日数が減るから。
一般的に「育休は1年間!」って認識の方が多いですが、正しくは1歳の誕生日の前日まで。
育児休業の開始を遅らせたら、その分だけ給付される期間が短くなります。
例えば1ヶ月遅らせたのなら、本来10ヶ月給付されるところ、9ヶ月しか支給されないわけです。
また、育児休業に入る直前に中途半端な出勤をすると、月々の給付額が減ります。
つまり、「給付される期間」と「月々の給付額」の両方が減るということ。
給付額の計算まで話すと長くなるので、詳細は「【専門用語無し!】育児休業給付金の算出方法。いくらもらえるか解説」をご覧ください。
もらえないより良いのは当然です!
有給休暇を1日ずつ使ってないか
もう有給休暇が11日もない・・・無理ですよね。。。
出産前には何かと休むことが多くなるので、状況を変えようにも有給休暇が11日分無いという方も。
そんな方には奥の手ですが、有給休暇を半日ずつ使うことを勧めています。
「半日有給休暇+半日欠勤」というのを11回繰り返せば、出勤日数11日となりますね。
有給休暇が6日以上残っていれば、半日ずつ12回使えるので条件クリアできます。
そんな使い方して良いの?
「有給休暇を半日使う」という部分は大丈夫。しかし「半日欠勤」という部分は会社の協力が必要です。
なぜなら従業員は自由に欠勤をする権利が無いから。有給休暇を使う権利はあっても、欠勤する権利はありません。
とはいえ会社側にデメリットが無いので、交渉すれば通ることも多いです
ある程度有給休暇が残っている方なら、この方法で1ヶ月分くらいは稼ぐことができます。
さらに奥の手もありますが、ここではあえて書きません。
「有給休暇が足りない・・・」と言う方はベンゾーに相談してください。
完全月じゃないので、入社月をあきらめていないか
12ヶ月あると思ってたら、「入社月は完全月じゃないのでダメです」って言われた・・・
少し調べた方でよくあるのが、「入社月が完全月じゃないからカウントできない」という話。
簡単にいうと、従業員であった期間が丸々1ヶ月無いと、11日以上出勤をしていてもカウントしないということです。
影響のある方はすでにご存知と思いますが、完全月について詳しく知りたい方は「【育児休業給付金の完全月とは?】自分にも関係ある?具体例と対策を解説」をご覧ください。
例えば育児休業開始日が12月15日だとしたら、毎月15日~翌月14日の間で11日以上出勤が無いかを確認します。
しかし入社した日が20日や25日だと、出勤日数が11日以上あっても入社月はカウントできません。
なぜなら15日~入社日までが従業員でないため、完全月じゃないからです。
なんか出勤日数はクリアしてるのにもったいないなぁ・・・
そんなときは、育児休業開始日をずらせばOK。
上の例でいうと、育児休業開始日を12月15日から12月20日や25日にずらせば完全月になります。
育児休業開始日ってずらせるの?
育児休業開始日はずらせます。
先ほど別の例でも解説しましたが、産後休業の後すぐに育児休業に入らなくてもOK。
産後休業から育児休業の間に、有給休暇や欠勤をはさめば育児休業開始日をずらせます。
「入社月が完全月じゃないから1ヶ月足りなかった」という事例は比較的簡単に対応できます。
雇用保険をさかのぼって加入できないか
入社から数えると12ヶ月分あるけど、最初の数ヶ月は雇用保険に加入してなかった・・・
雇用保険に加入してなかった理由にもよりますが、さかのぼって加入することができます。
よくあるのが「最初の3ヶ月間は試用期間だから加入してない」というケース。
雇用保険に加入してないのがこの理由だけであれば、さかのぼって加入できます。
会社が「加入させない」って言えば加入できないんじゃないの?
会社が加入させないと言っても加入できます。
雇用保険は「加入させる」とか「加入させない」という選択肢が与えられるものじゃありません。
「加入できない」か「加入しなければならない」かの2択。つまり要件を満たしていれば強制加入です。
しかも雇用保険料は安いから、会社としてもほとんど負担がありません
会社側に負担がなく、さかのぼって加入しないと育児休業給付金がもらえないという状況。
これなら普通の会社は、さかのぼって加入してくれます。
もしそれでも「加入させない」って言ってきたらどうすれば良い?
そのときは行政機関に連絡しましょう。
会社が「加入させなくて良いはず!」と言い張ってきたら「ハローワーク」へ。
会社が「加入させない!」と言ってきたら「監督署」へ連絡しましょう。
各行政機関への問い合わせ方法は「【どこに相談?】会社に聞きにくい妊娠~育児中に使える制度の疑問」で紹介しています。
多少揉めると思いますが、育児休業給付金をもらえるかどうかと天秤にかけれ考えてください。
【本当にもらえない場合①】別の収入源を作る
先に解説した方法を使っても育児休業給付金を受け取れないなら、考えを切り替えて育児休業給付金以外の収入源を作りましょう。
今回産んだ子供については育児休業給付金をもらえませんが、次の子を視野に入れた提案をします。
この機会に副業を始める。どんなのが良い?
別の収入源を得るのに、シンプルなのは副業。
子育てで忙しいとは思いますが、育休から復帰をするとさらに忙しくなることを考えると、今始めるのはベストです。
ここでは育休中にオススメできる副業の選び方を解説します。
結論|給与明細が出ないタイプの仕事
結論、給与明細が出ないタイプの仕事がオススメです。
副業を選ぶ上で気を付けたいのは以下の2点。
- 次回の育休時に給付金が減らない
- 会社バレのリスクが低い
明細が出ないから会社にバレない!とかって意味じゃなく、法的な根拠があります。
理由|次の育休時に給付金が減らない+会社バレ防止
せっかく副業を始めるなら、長く続けた方が良いですよね。
となると、次の子の育児休業中にも副業をしてる可能性を考えましょう。
実は育休中に給料が出ると、育児休業給付金が減ったり停止されたりします。
給与明細が出ないタイプの仕事なら、育児休業給付金が減りも停止もしません
さらに副業のリスクとして「会社にバレる」という点も。
そもそも副業自体、本当は禁止できるものじゃありません。でも会社にバレたくないという気持ちはありますよね。
育児休業給付金を受けているときに、給与明細の出るタイプの副業をすると、会社を通してハローワークに副業収入を報告する義務があります。
給与明細が出ないタイプの仕事なら、ハローワークへの報告義務がありません
副業で育児休業給付金が減る仕組み、ハローワークへの報告義務がある理由は「【要注意!】育休中に働いても育児休業給付金が減らない方法を専門家が解説」で解説しています。
副業を検討している方はチェックしておきましょう。
例|バイト=×、業務委託=〇
具体的にはどんな仕事がダメで、どんな仕事がOKなの?
例えばアルバイトや派遣は副業としてはダメです。
OKなものは業務委託。
育児休業給付金がもらえないから副業を始めるというなら、どっかでアルバイトをするよりも業務委託に挑戦する方が良いですね。
業務委託なら育休復帰後でも収入源にできるメリットもあります。
業務委託が良いって言っても、どんな仕事をすれば良いのかわからない・・・
在宅でネットで仕事を受注できるものが理想的ですね。
実際に育児中に業務委託を始めて収入源にできた方から、体験談を集めました。参考にしてください。
➡️ 【専門家オススメの副業】育休中も給付金が減らない・会社にバレない仕事
結論|収入源を増やすなら、業務委託が〇
- 収入源を増やすなら副業
- 次回の育休時にも続けることを考えると、業務委託が〇
- 在宅でネットで受注できるものが理想的
今回は育児休業給付金をもらえなかったけど、次回のために今から始めてみようかな
育休中に副業を始める人は大勢います。忙しい時期ですが、挑戦してみてください
➡️ 【専門家オススメの副業】育休中も給付金が減らない・会社にバレない仕事
まとめ|【専門家解説】育児休業給付金をもらえない?あきらめる前にする対策
- 現状を把握
- 「出勤」に数えるのは出勤だけじゃない
- 期間は育児休業開始日が基準
- 11日未満でも残業が多ければカウント
- 前職の期間も通算できる
- 過去2年以上さかのぼれる
- 現状を変える
- 休業に入った後でも調整可能
- 有給休暇は1日ずつ使わなくてOK
- 入社月を完全月にする
- 雇用保険の加入をさかのぼる
今回紹介した内容は私が相談を受けた際に、確認したり提案する内容。
一通り記事を見てもらい「もしかして私も育児休業給付金を受けられるかも!」って思ってもらえると幸いです。
1歳までにもらえる育児休業給付金は、年収の半分ほど(ボーナス除く)。
会社やハローワークから「無理」って言われただけで、あきらめないようにしましょう。