私はOK?「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件を解説
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「出勤日数11日以上が12ヶ月以上あるか」という条件について、先日こんなツイートをしました。
この記事ではツイート内容をさらに詳しく解説します。
読んでいただきたいのは以下の方。
- これから育児休業に入る予定
- 出勤日数になにかしら不安を抱えている
- 自分が育児休業給付金の条件を満たすかわからない
育児休業給付金の条件の1つである「出勤日数11日以上が12ヶ月以上あるか」。
育休前の出勤日数に不安があると、気になりますよね。
私は「出勤日数11日以上が12ヶ月以上あるか」を満たしてるのかな・・・
自分が条件を満たせているのか判断するには、どうすれば良いでしょうか?
こんな疑問にざっくり回答をすると以下の通り。
- まずはどの期間で数えるのか理解する
- 数え方をおさえる
- 例外をおさえる
なぜこのような結論になるのか解説していきます。
この記事を読んでいただければ、「出勤日数11日以上が12ヶ月以上あるか」を満たせているのか判断できるようになります。
「出勤日数」の前に、他の条件もよくわからないって方はコチラの記事からご覧ください。
➡️ 【全然わからない人向け】育児休業給付金をもらえる条件を解説
運営者のベンゾーに直接相談したい方はコチラからどうぞ。
この記事の情報は・・・
- 厚生労働省管轄の育児・介護休業法
- 雇用保険手続きの手引き-育児休業給付について
- 雇用保険に関する業務取扱要領-育児休業給付関係
- 雇用保険に関する業務取扱要領-一般被保険者の求職者給付
- 法令検索サイトe-gov-育児介護休業法
を要約した内容になっています。
この記事の内容は、以下の動画でも解説しています。
【条件満たしてる?】3つのポイントで出勤日数を数える
「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」の条件を満たしてるか判断するには、以下の3点をおさえておきましょう。
- まずはどの期間で数えるのか理解する
- 数え方をおさえる
- 例外をおさえる
①【いつからいつ?】育児休業開始日を基準に数える
「11日以上」って言っても、どこからどこの期間で11日以上になっていれば良いと思いますか?
給料の締め日から次の締め日とか?
そう思ったのなら、必ず次の解説をチェックしてください
「育児休業開始日」を基準に数える
コチラの内容は2021年9月1日に改正されました。改正後は「特例基準日」という新制度が使われています。
詳しくは「【令和4年4月1日から】育児休業法改正は子育て世代全員に影響がある?」をご覧ください。
結論、「育児休業開始日」を基準に数えます。
給料の締め日ではありません。
(ややこしいので無視でもOK)
今解説しているのは「もらえるかどうかの条件」です。
「もらえるのが確定した上で、給付額を計算するとき」は、給料の締め日を基準に計算します。
「育児休業開始日」っていつ?|出産後約2か月後
「育児休業開始日」っていつのこと??
一般的には出産日の翌日から57日後の日です
「1月1日に出産をした」という例で、出産に関係する日付をまとめます。
用語 | 開始 | 終了 | 例.1月1日出産の場合 |
産前休業 | 出産予定日の42日前から ※出産日が予定日とずれると変わる | 出産予定日まで | 11月21日~1月1日 |
産後休業 | 出産日の翌日から | 56日後まで | 1月2日~2月26日 |
育児休業 | 産後休業終了の翌日から | 1歳の誕生日の前日まで | 2月27日~12月31日 |
↑の例(1月1日出産)だと、2月27日が育児休業開始日です。
「11日以上あるか」という条件は育児休業開始日を基準にするので、「毎月27日~翌月26日の間に11日以上の出勤があるか」どうかと言い換えることになります。
育児休業開始日は「出産予定日」じゃなくて「出産日」から計算するんだね
コチラの内容は2021年9月1日に改正されました。改正後は「特例基準日」という新制度が使われています。
詳しくは「【令和4年4月1日から】育児休業法改正は子育て世代全員に影響がある?」をご覧ください。
「育児休業開始日」は出産前に確定しない|出産後に決まる
出産日から計算するってことは出産するまでわからないってこと??
その通り。1日出産がずれると、育児休業開始日も1日ずれます。
育児休業開始日は出産前に確定しない日。
その育児休業開始日を基準に「11日以上の出勤」を計算するので、条件を満たすか確定するのも出産後です。
普通の方は数日ずれたところでほとんど影響ありません。
問題はギリギリ11日以上になるよう調整していた人。
1日出産日がずれただけで、調整していたことが全部ずれてきます。
「あと1日あれば・・・」という事例がたまにあります
だからギリギリに調整するのはオススメしません。
入社した月を数えるか数えないか|状況による
もうひとつ注意したいのが、「完全月」という考えです
「入社した月を数えるかどうか」は、入社したタイミングと育児休業に入ったタイミングで結論が変わります。
なぜなら「完全月」という考え方があるためです。
「完全月」という考え・・・
対象期間中に雇用保険に加入していない日が含まれる場合、その対象期間は11日以上であっても1ヶ月分として数えない。という考えです。
何言ってるんだかわかんないですよね。
結論だけ言うと完全月を意識しないといけないのは以下の人。
- 就職して4年以上経つ人なら気にしなくてOK
- 就職して4年以内に出産する人は一応チェックするべき
- 就職して2年以内に出産する人は絶対チェックするべき
気にしないといけない人の場合は「【育児休業給付金の完全月とは?】自分にも関係ある?具体例と対策を解説」もチェックしてください。
完全月の詳しい説明と対策を解説しています。
②【数える日と数えない日】「11日以上」の数え方をおさえる
「出勤日数1日」として数えるものは、通常の出勤の他にどんなものがあると思いますか?
え?普通に出勤した日以外も数えていいの?
いいんです。これは見落とす人も多いので要注意ですよ。
1日として数えるもの|給料の有無で判断
例えば以下のものは「出勤日数1日」として数えます。
- 有給休暇
- 遅刻や早退
- コロナ休業など休んだけど給料が出た日
「コロナ休業」が入ってるけど、休んだ日も数えていいの??
考え方としては、「物理的に会社に行ったかどうか」ではなく、「給料が出たかどうか」が重要なんです。
そのため数えない日というと、「有給休暇も使わずに丸1日完全に欠勤した日」くらいです。
遅刻・早退をした日なんかは、間違えて抜かれがちです
正式名称でいうと、ここで説明しているものは「基礎日数」と言います。
基礎日数の解説は「【超重要】基礎日数をマスターして育児休業給付金を上手にもらう方法」をご覧ください。
上手く活用して受給要件を満たす方法や、給付額を減らさないコツを解説しています。
【一旦まとめ】シンプルなケースならここまでの理解でOK
- 「ギリギリ11日以上」に注意して
- 「1日」と数える日を間違えず
- 12ヶ月以上あればOK!
ここまでの内容をまとめました。
この時点で「出勤日数11日以上が12ヶ月以上ある」って場合はもう大丈夫。ここから先の話は無視してOKです。
私は出勤日数11日以上が12ヶ月以上ある!
お疲れ様です。育児休業給付金の条件はクリアできています。
逆に「出勤日数11日以上が12ヶ月未満」って場合は、ここから先の話をよく理解してください。
例外の条件を解説していきます。
数えてみたけど、条件クリアできてないかも。。。
まだ諦めないでください。例外の条件を解説していきます
③【例外】12ヶ月未満だった場合におさえること
- 出勤は少ないけど、残業を結構してる
- 転職直後はもらえないと思ってないか
- 2年しかさかのぼれないと思ってないか
ここからは「出勤日数が足りていないけど、例外的に大丈夫とされるケース」を解説していきます。
出勤は少ないけど、残業を結構してる
- 育児休業開始日が令和2年8月1日以降である
- 11日以上の出勤がない
- でも労働時間は80時間以上ある
上記のような方は11日以上なくても12ヶ月に数えて良いことになりました。
これは令和2年8月1日に法改正があったためです。
例えば・・・
11日以上の出勤が10ヶ月しかない。でも10回しか出勤してなかった期間の中で、80時間以上働いた期間が2回以上ある。
こんな場合は「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件を満たしていることになりました。
「あと1日足りなかった・・・」という方の何名かは救われることになると思います。
転職直後はもらえないと思ってないか
- 現職では条件を満たしていない
- 前職を含めることができれば条件を満たす
- 前職を退職後、1年以内に現職に入社している
- 前職の退職後、ハローワークで離職票を使った手続きをしていない
上記のような方は「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件を満たしていることになります。
これは「前職の期間を通算する」という仕組みを使った結果です。
転職間もない時期に育児休業を取る場合、この例外を使います
前の職場の出勤も加えて良いなら、条件クリアできるかも!
ただしこの例外には、「例外の例外」が2つあります。
有期契約の場合は同じ事業主のもとで1年以上勤務していること
⇒こちらは令和4年の法改正で無くなりました!詳しくは「【令和4年4月1日から】育児休業法改正は子育て世代全員に影響がある?」をご覧ください。- 会社は「入社1年未満の人からの育児休業の申し出は断ることができる」というルールを作れる
この例外の例外も踏まえた解説を具体例付きで「転職1年未満で育休は取れない?辞める前に確認する5つのポイント」の記事で解説しています。
転職直後に育児休業を取ることになりそうな方はご覧ください。
➡️ 転職1年未満で育休は取れない?辞める前に確認する5つのポイント
2年しかさかのぼれないと思ってないか
- 育児休業開始から2年前の間に長期休業をしていた
- 休んだ理由はケガや病気、先に産まれた子の育児など
- 休んで期間が無ければ「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件を満たしている
上記のような方は「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件を満たしている可能性が高いです。
これは育児休業開始前2年間でケガ・病気・育児などで休んだ場合、2年以上さかのぼれるようになるルールがあるからです。
2年以上さかのぼれるの?
あくまで原則は2年。例外として2年以上さかのぼれるんです。
ざっくり言うと、例えば ケガ・病気・育児などの理由で3ヶ月休んだとします。
その場合、通常は育児休業開始前2年間しか見れないところを、2年3ヶ月まで見れるという意味です。
なお、この例外制度では最大4年まで遡ることができます。
育休直前に何かしらの理由で長期休業していた方は要チェック。
これのおかげで育児休業をもらえることになるケースも多いです。
原則2年が最大4年まで延びる例外制度について、コチラの記事で解説しています。
2人目の育休や、出産直前にケガや病気で休んだ方は要チェックです。
まとめ|「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件を解説
- 「ギリギリ11日」に調整は注意
⇒数える期間は出産後に確定。想定とずれることもありえます - 有給休暇や遅刻・早退も「1日」
⇒給料が出た日は数える - 例外が多いから簡単にあきらめない
⇒育児休業給付金は例外だらけの制度です
「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件について解説しました。
例外や法改正の多い育児休業制度。むずかしいですが、受給できれば年収の約半分もらえるので、あきらめずに条件クリアを目指しましょう。
この条件さえクリアすれば、大半の方は受給可能!がんばってクリアしてください。