【育児休業給付金の完全月とは?】自分にも関係ある?具体例と対策を解説
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毎日育休の相談に回答しているベンゾー(@ikukyu_hotline)です。
「育児休業と完全月の関係」について、こんなツイートをしました。
この記事ではツイート内容をさらに詳しく解説します。
読んでいただきたいのは以下の方。
育児休業給付金の受給対象か調べてたけど、「完全月」が自分に関係あるのか不安な人
育児休業給付金の受給対象か調べてみた方なら、だいたい見たことがある「完全月」という単語。
意味を調べてみると大阪労働局のサイトで以下の記載があります。
完全月とは … 離職の日から遡って1ヶ月ごとに区切っていった期間をいいます。
(完全な月以外では11日以上働いても1ヵ月と計算されません。)
引用:大阪労働局
意味が全然わからない・・・結局私に関係あるの??
こんな気持ちになっている方に、ざっくり結論を言うと以下の通り。
- 就職して4年以上経つ人:気にしなくてOK
- 就職して4年以内に出産する人:一応チェックするべき
- 就職して2年以内に出産する人:絶対チェックするべき
なぜこのような結論になるのか解説していきます。
この記事を読んでいただければ、自分が育児休業給付金の受給対象になるのか判断できます。
具体例と対策方法もバッチリ解説します
2021年9月以降の法改正で「特例基準日」という制度ができました。
特例基準日を利用すると完全月の影響を受けにくくなるので、ぜひ理解しておきましょう。
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この記事の情報は・・・
- 厚生労働省管轄の育児・介護休業法
- 雇用保険手続きの手引き-育児休業給付について
- 雇用保険に関する業務取扱要領-育児休業給付関係
- 雇用保険に関する業務取扱要領-一般被保険者の求職者給付
- 法令検索サイトe-gov-育児介護休業法
を要約した内容になっています。
この記事の内容は、以下の動画でも解説しています。
【結論】完全月とは丸々1ヶ月雇用されている月のこと。入社月だけ要チェック
- 完全月=丸々1ヶ月雇用されている月
- 気を付けるべきは「入社月」
- 「丸々1ヶ月」とは育児休業開始日が基準
一言でいうと「丸々1ヶ月雇用されている月」のことを完全月と言います。
そして気を付けなくちゃいけないのは「入社月」。
「丸々1ヶ月」とは何日から何日までのことか
「丸々1ヶ月」がいつからいつの期間かというと、育児休業開始日を基準に考えた1ヶ月を言います。
例えば育児休業が6月28日から始まった場合は、毎月28日~翌月27日までが1ヶ月。
1日~月末とか、給料の締め日ではありません
この考え方は「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」の考え方と同じ。
詳しくはコチラ↓の記事をご覧ください。
➡️ 私はOK?「出勤日数11日以上が12ヶ月以上」という条件を解説
【理由】入社月だけ丸々1ヶ月雇用されていないことがあるから
- 「丸々1ヶ月雇用されていない月」=入社月
- 厳密に言えば雇用保険が途中で切れる月だけど、通常ありえない
- 「退職月」はどっちみち気にしなくてOK
「丸々1ヶ月雇用されている月」=「完全月」ということですが、普通に働いていて一部だけ雇用されていない(退職している)月なんてありえないですよね。
じゃあ具体的にどんな月を注意すれば良いのか。
それは「入社月」。入社月だけは月の一部(最初の方)だけ雇用されていないことがありえます。
つまり入社月だけが、完全月にならない可能性がある月です。
入社月だけじゃなく、退職する月も同じじゃないの?
その通りですが、そもそも退職する月は育児休業給付金に関係ないで無視します
【関係ある人】入社月を含めると条件クリアできる人
- 入社月を含めて、ギリギリ条件をクリアする人は要注意
- 就職して2年以内に出産する人は絶対にチェック
- 就職して4年以内に出産する人は一応チェック
- 就職して4年以上経つ人は気にしなくてOK
どんな方なら「完全月」を意識しなければならないか解説します。
結論、入社月の出勤日数を含めて、ギリギリ「出勤日数11日以上の月が12回」の条件をクリアできる人は要注意です。
例えば就職して2年以内に出産する方は、入社月を含めて12回になっていないか絶対にチェックしましょう。
例.4月16日入社の方の場合
4月の出勤日数を含めると、育児休業給付金の条件をクリアできるって状態なら要注意。
4月以外の出勤日数で条件をクリアできるなら、気にしなくてOK。
また、就職して4年以内に出産する方も、途中で長期休暇を挟んでいたりするなら、完全月をチェックした方が良いです。
「出勤日数11日以上の月が12回」の条件は原則過去2年間ですが、例外で過去4年間まで見れますからね。
➡️ 育児休業給付金で4年遡りの条件|誰も解説してない例外の例外
【具体例】完全月のせいで育児休業給付金が出ないケース
- 出産日がずれると結果が変わることも
- 良い方に変わることも、悪い方に変わることもある
具体例を使って完全月の影響具合を解説していきます。
例1|4月1日に入社。翌年5月2日に出産
- 4月1日入社
- 翌年5月2日に出産
- 育児休業開始日は6月28日
上記の場合、毎月28日~翌月27日の期間で11日以上の出勤があるかを見ます。
注目すべきは3月28日~4月27日の期間。(画像赤枠の部分)
普通に数えれば11日以上余裕で出勤しています。
でも3月28日~4月27日の内、3月28日~3月31日は雇用されていない(入社前の期間)ので、完全月になりません。
「丸々1ヶ月雇用」ではないので、完全月じゃありません。
つまり3月28日~4月27日の期間は1ヶ月分として数えられません。
産休が3月22日からなので、11日以上出勤している完全月は11回しかありません。(画像青色の部分)
結論、受給対象外です。
例2|4月1日に入社。翌年5月2日が出産予定日だったけど、5日に出産
- 4月1日入社
- 翌年5月2日が予定日だったけど、5月5日に出産
- 育児休業開始日は7月1日
出産日が5月2日から5日にずれ込んだケース。
この場合、毎月1日~翌月末日の期間で11日以上の出勤があるかを見ます。
注目すべきは4月1日~4月30日の期間。(画像赤枠の部分)
出産日がずれたことで入社前の期間が無くなり、完全月になりました。
「丸々1ヶ月雇用」しているので、完全月です
つまり4月1日~4月30日の期間を1ヶ月分として数えられます。
11日以上出勤している完全月が12回になりました。(画像青色の部分)
結論、受給対象です。
今回は受給対象外だったのが対象になるケースですが、逆パターンもありえます。
- 育児休業開始日は出産するまで定まらない
- 育児休業開始日を基準に数える
- 出産日がずれて結果が変わることもある
【対策】完全月に引っかからない育児休業の取り方
- 育児休業開始日をずらせばOK
- 有給休暇を使えば簡単にずらせるので大丈夫
- わからなければ相談して
先に解説した具体例のように、入社日4月1日で出産日が翌年5月2日の場合、そのまま行けば受給対象外です。
うまいこと出産日がずれてくれれば良いですが、ずれなかったら諦めるのでしょうか?
ここでは完全月のせいで受給対象外になる場合の対処法を解説します。
育児休業開始日をわざとずらす
少し裏ワザ的な方法。
結論、わざと育児休業開始日をずらせばOKです。
先に解説した具体例では、出産日がずれて育児休業開始日がずれたことで受給対象になっていました。
アレと同じ状況をわざと作るんです。
育児休業開始日って自由にずらせるの?
前倒しはできないけど、後倒しはできます
本来は「産休⇒育児休業」と日を空けないのが一般的です。
でも「産休⇒有給休暇⇒育児休業」とすれば、ある程度自由にずらせます。
「完全月のせいで12ヶ月ない・・・」というケースは、だいたいこれで解決します。
今は「特例基準日」という制度によってもっと簡単に対策できるようになりました。
特例基準日についての詳しい解説は「【令和4年4月1日から】育児休業法改正は子育て世代全員に影響がある?」をご覧ください。
よくわからなければ相談してください。相談者さんのケースで一緒に考えます。
➡️ ベンゾーに相談する
まとめ|育児休業給付金の完全月とは?自分に関係ある?
- 入社月が完全月じゃなくなりがち
- 「入社月を含めるとクリア」はクリアじゃないかも
- 対策は可能
多くの方が勘違いしがちな完全月を解説してみました。
完全月は難しい上に、ネットであんまり情報が転がっていません。
だから勘違いをしててもしょうがない。悪いのはわかりにくい制度です。
- 「読んだけどわからない!」
- 「理解した気がするけど不安!」
- 「私の場合はどうすれば良い?」
こんな疑問や質問があれば、全部回答するのでぜひご相談ください。
2021年9月以降の法改正で「特例基準日」という制度ができます。
特例基準日を利用すると完全月の影響を受けにくくなるので、ぜひ理解しておきましょう。