【育児休業給付金の裏ワザ】金額を増やす方法を専門家が解説(妊娠初期限定)


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この記事では「育児休業給付金の金額を上げる裏ワザ」を解説します。
読んでいただきたいのは以下の方。
- 妊娠初期の方
- 育児休業給付金をもらえる条件はクリアできてる方
私に来る相談で特に多いのが「育児休業給付金を増やす方法」。
育児休業給付金の算出方法を解説する記事では「給付額は年収の半分」と結論付けていますが、「どうせもらえるなら、少しでも多くもらいたい」と思ってる方も多いはず。

誰でも給付金を増やす方法があるの?

妊娠初期の方限定の裏ワザです
実は妊娠初期の方に限り、育児休業給付金の金額を増やす裏ワザがあります。
この記事では私が相談されたときに教えている方法を解説します。
結論だけ言うと以下の通り。
- 妊娠初期から中期の給料が上がるようにする
- 妊娠初期から中期は中途半端に出勤しない
この記事を読めば、何も気にしないで育休に入るより給付金額を高くすることができます。
出産予定日と給料額を入れると、ざっくり計算できる「産休・育休計算ツール」もどうぞ。
この記事の情報は・・・
- 厚生労働省管轄の育児・介護休業法
- 雇用保険手続きの手引き-育児休業給付について
- 雇用保険に関する業務取扱要領-育児休業給付関係
- 雇用保険に関する業務取扱要領-一般被保険者の求職者給付
- 法令検索サイトe-gov-育児介護休業法
を要約した内容になっています。
この記事の内容は、以下の動画でも解説しています。
【方法】育児休業給付金を増やす裏ワザ

- 「育児休業」開始の「直前6ヶ月」の「給料」で判断
- 「給料」とは残業代や交通費も含めた総支給額のこと
- 「育児休業」とは出産8週間後~1歳になるまでの期間
- ただし「直前6ヶ月」の中に出勤数10日以下の月があった場合、その月を飛ばす
育児休業給付金の給付額は、「育児休業開始の直前6ヶ月の給料で判断」されます。
詳しくは「【専門用語無し!】育児休業給付金の算出方法。いくらもらえるか解説」で解説していますが、ここでポイントになるのは上記の点。
それぞれを正しく理解することで、育児休業給付金の給付額を増やすことができます。
以下、給付額を増やすためのポイントを解説していきます。

ひとことで言うと「中途半端に出勤しない」ことが重要です
元気な妊婦さん向け|妊娠初期から中期の給料が上がるようにする
妊娠〇ヶ月 | 状況 | 育休開始〇ヶ月前 | 本来は6ヶ月前までを見る |
出産後 | 産後休業を含む期間 | 育休開始 | 本来見るけど、10日以下なので飛ばす期間 |
出産後 | 産後休業期間 | 2ヶ月前 | 本来見るけど、10日以下なので飛ばす期間 |
10ヶ月 | 出産月 | 3ヶ月前 | 本来見るけど、10日以下なので飛ばす期間 |
9ヶ月 | 産前休業期間 | 4ヶ月前 | 本来見るけど、10日以下なので飛ばす期間 |
8ヶ月 | 産前休業を含む期間 | 5ヶ月前 | 本来見るけど、10日以下なので飛ばす期間 |
7ヶ月 | 妊娠中で普通に出勤 | 6ヶ月前 | 本来見る期間 |
6ヶ月 | 妊娠中で普通に出勤 | 7ヶ月前 | 本来見ない期間 |
5ヶ月 | 妊娠中で普通に出勤 | 8ヶ月前 | 本来見ない期間 |
4ヶ月 | 妊娠中で普通に出勤 | 9ヶ月前 | 本来見ない期間 |
3ヶ月 | 妊娠中で普通に出勤 | 10ヶ月前 | 本来見ない期間 |
2ヶ月 | 妊娠中で普通に出勤 | 11ヶ月前 | 本来見ない期間 |
↓の枠内の文章を一覧表にしたのが↑の表。
育児休業給付金の給付額を決めるのは、育児休業開始の直前6ヶ月の給料。
ただし、直前6ヶ月の中に出勤数10日以下の月があれば、そこは飛ばされます。
一般的に育児休業の前には産前休業(出産前6週間の休業)と、産後休業(出産後8週間の休業)が入ります。
つまりこの期間は「出勤数10日以下」に該当するので、飛ばされます。
結局、一般的には妊娠2~7ヶ月頃の給料を見ることが多いです。

難しいことを全部省略すると、「妊娠2~7ヶ月頃の給料が重要」です
仮に元気な妊婦さんだとして、妊娠2~7ヶ月頃にたくさん残業をしたり、歩合給を増やす取り組みをしたとします。
その結果、その月の給料が上がるのは当然として、育児休業給付金の給付額も上がります。
元気じゃない妊婦さん向け|中途半端に出勤しない
元気な妊婦さんなら給料を増やして給付額も増やしましょう!というワザができますが、そうでない方も大勢いるかと思います。
その場合は、中途半端に出勤することを避けるようにしましょう。
極端な話をします。
給付金の計算で見る期間にちょうど11日ずつ出勤をして、普段の給料の半分くらいしかもらえなかったとしましょう。
すると育児休業給付金の給付額は、本来の半分になります。

体調が良くないなら、出勤日数を10日以下になるよう調整しましょう
結論|働けるときに働き、休むときは休む。中途半端はダメ
- 働けるときにたくさん給料を稼いで、給付額UP!
- 休むときは休んで、給付額Downを避ける
- 給付額を決めるのは妊娠2~7ヶ月頃が一般的
「自分は妊娠中でも働ける!」と感じたらたくさん働いてみる。
「自分はあんまり調子が良くない・・・」と感じたら思い切って休んでみる。

会社と相談して、中途半端に出勤しないようにしてみます!

調整できる職場なら、それがベストですね
会社側の都合もあったりするので、なかなか難しいこともあります。でも中途半端に出勤するのなら、せめて10日以下になるようにしましょう。
「妊娠で体調が良くないのに無理して出勤と欠勤を繰り返した結果、出勤日数が11日になった」
こんなケースが一番損をします。
ここで数えている出勤日数は、正式名称「基礎日数」と言います。
数え方がちょっと特殊なので、自信の無い方はコチラの解説記事をご覧ください。
【裏ワザの効果】どのくらい育児休業給付金は増えるのか


なんだか気を使いながら働かなくちゃいけないみたいだけど、どのくらい効果があるの?

超シンプルに回答すると、調整した額の6倍効果があります
せっかく会社とも調整をしたり、出産の時期から逆算してみても、たいして効果が無かったら嬉しくないですよね。
ここでは、具体的な計算式を出しながら効果を検証していきます。
結論を言うと、調整した額の6倍効果があります。
対象期間に増やした毎月の給料額の約6倍増える
例えば育児休業給付金の計算対象になる月の給料を、なんらかの手段で毎月1万円ずつ増やせたとしましょう。
6ヶ月で合計6万円増やすイメージ。下の表の感じですね。
計算対象月 | 普段の給料 | 増やした額 |
---|---|---|
1ヶ月目 | 20万円 | 残業で+1万円 |
2ヶ月目 | 20万円 | 歩合給で+1万円 |
3ヶ月目 | 20万円 | 歩合給で+3千円 残業で+7千円 |
4ヶ月目 | 20万円 | 残業で+1万円 |
5ヶ月目 | 20万円 | 歩合給で+1万円 |
6ヶ月目 | 20万円 | 残業で+1万円 |
合計 | 120万円 | 残業と歩合給で+6万円 |

わかりやすいように毎月ちょうど1万円ずつ増やしていますが、1ヶ月目に1万5千円増やして、2か月目は5千円増やしても結果は同じです。
上記の例の場合は以下のように計算されます。
- 毎月の増えた金額:1万円
- 6ヶ月合計で増えた金額:6万円
- 日額に換算:6万/180
- 最初の半年間の給付額:(6万/180)×67%×180日=40,200円
- 1歳までの残りの期間の給付額:(6万/180)×50%×120日=20,000円
- 1歳までの給付額で、増えた分の合計:60,200円
毎月1万円ずつ増やせた場合、約6万円増えるという結果になりました。
これは毎月2万円ずつ増やせれば、約12万円増えるということ。
つまり、毎月増やせた金額の約6倍も増えるということです。
中途半端な出勤で下がる金額
次に中途半端な出勤を避けたことで、計算対象から外すことができた場合の効果を解説します。
計算対象にする6ヶ月の中に、ちょうど11日出勤することで給料が6万円下がった月があったとします。
計算対象月 | 出勤数 | 給料 |
---|---|---|
1ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
2ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
3ヶ月目 | 11日 | 14万円 |
4ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
5ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
6ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
合計 | 114万円 |
減った給料6万円は、育児休業給付金にどのくらい影響を与えるのか。
- 合計金額:114万円
- 日額に換算:114万/180
- 最初の半年間の給付額:(114万/180)×67%×180日=76,380円
- 1歳までの残りの期間の給付額:(114万/180)×50%×120日=38,000円
- 1歳までの給付額の合計:114,380円
では中途半端な出勤をやめて、10日以下になるようにしたらどうなるか。
計算対象月 | 出勤数 | 給料 |
---|---|---|
1ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
2ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
3ヶ月目 | 10日 | 14万円 |
4ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
5ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
6ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
7ヶ月目 | 22日 | 20万円 |
計算対象月の合計 | 120万円 |
この場合10日以下にした月は無視され、代わりに7ヶ月目を計算対象に加えることになります。
つまり、計算対象になる月すべてで普通に出勤した場合と同じ結果になります。
- 計算対象月の合計金額:120万円
- 日額に換算:120万/180
- 最初の半年間の給付額:(120万/180)×67%×180日=80,400円
- 1歳までの残りの期間の給付額:(120万/180)×50%×120日=40,000円
- 1歳までの給付額の合計:120,400円
中途半端に出勤をした場合が114,380円に対し、10日以下にした場合が120,400円。
約6万円の差がありますね。
つまり、下がった給料と同額が給付金からも減ってしまうということです。
【裏ワザし過ぎに注意】育児休業給付金をちゃんともらうために

最後に注意しておきたいことを紹介します。
給付額を上げることに注力しすぎて本末転倒にならないようにしましょう。
体調を最優先にする
当然ですが、体調を最優先にしてください。
給付金が増えるからと言って、無理して毎月+10時間残業をするのは良くないです。
体調が良くて十分に働ける状態の方だけが、無理のない範囲で挑戦してください。
「半日有給休暇」も1日とカウントする
中途半端な月を10日以下にする際、有給休暇を使って休むと1日出勤したとカウントされてしまいます。
さらに半日有給休暇を使った場合も同様に、1日出勤したとカウントされます。
休むときは「欠勤」で休みましょう。
そもそも給付金の対象外にならないようにする
中途半端に出勤する月が多いからって欠勤を増やしていると、育児休業給付金の受給対象から外れてしまうこともあり得ます。
ギリギリ受給対象になるような方は特に注意が必要です。
給付金を増やそうとして受給対象から外れたら本末転倒ですからね。
受給対象かどうかをチェックする場合は、「受給診断」を使ってください。
まとめ|妊娠初期の方限定!育児休業給付金を増やす裏ワザ

- 妊娠初期からの給与が重要
- 給料を増やせるときは増やすと良い
- 増やせないときは無理せず休んだ方が良いことも
- 体調に注意をしつつ調整をする
育児休業給付金を少しでも増やしたい場合、今回解説した内容に挑戦してみてください。
少しでも給付額を増やすことができれば、出産後の家計に余裕がうまれますよね。
「そもそも育児休業給付金ってどのくらいもらえるの?」という疑問がよくあります。
ざっくり言うと「年収の半分」もらえます。
そんな育児休業給付金の具体的な計算方法を解説してみました。
➡️ 【専門用語無し!】育児休業給付金の算出方法。いくらもらえるか解説
給付金を増やせるようになったら、コチラの記事もどうぞ!
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